福島英『ポピュラー・ミュージックのためのヴォーカル・トレーニング』中のオペラに関するポイント
福島英の『ポピュラー・ミュージックのためのヴォーカル・トレーニング』は、コンパクトなわりに情報量・密度が高いため[研鑚]、[メモ]でヴォーカリストリスト、曲目リストなどをこれからアップしていきたいと思っているのだが、まずオペラに関する非常に細かく、学ぶべきポイントを示した部分をメモしておく。
自分はクラシック自体まだほとんど聞いてなく、オペラはなおさらなのでこれらを活用できる日がいつになるかわからないが、徐々に勉強していこうと思う。
声といえば、声楽家です。まずは、人間の声の美しさ、パワーと可能性を学びましょう。
a闘牛士の歌“諸君の乾杯を喜んで受けよう”/ルッジェーロ・ライモンデ(ビゼー「カルメン」より)(AA’BCC’AのA’の最後の部分)ピーンとはったまま揺らぎのない声を持続させるには、確実な腹式呼吸が不可欠です。
b’恋とはどんなものかしら’/ルチア・ポップ(モーツァルト「フィガロの結婚」)
音程をきっちりと歌っています。音と音のつながりは、階段のようにカクカクとしています。
c”わたしの名はミミ”/バーバラ・ヘンドリックス(プッチーニ「ポエーム」より冒頭)
bに対してレガートで歌っています。
d”妹よ、ごらんなさい”/キリ・テ・カナワ&フレデリカ・フォン・シュターデ(モーツァルト「コシ・フォン・トッテ」より、メゾ・ソプラノが交互に長い間のばす部分)
長くのばさなければならないときは、あまり大きな声を出さないで、のどの力をうまく抜くとうまくいきます。
e”何でも屋の歌”/ティト・ゴッビ(ロッシーニ「セヴィリアの理髪師」より、しゃべりの部分)
これだけの言葉を歌にのせるのは至難の業ですが、腹式呼吸と、のどや舌、口のまわりなどの力を抜き、有効に動かすことで可能になります。
f”衣装をつけろ”/プラシド・ドミンゴ(レオンカヴァルロ「道化師」より)
悲しい音色です。また、強い音色です。
g“夕星の歌”/ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(ワーグナー「タンホイザー」より)
優しい音色、やわらかい音色です。
h“夜の女王アリア〜復讐の心は地獄のように”/スミ・ヨー(モーツァルト「魔笛」より、ハイFが連発される部分)
人間の声はこんなに高くまで出ます。まるで笛のようにすきとおった声です。
i“誰も寝てはならぬ”/プラシド・ドミンゴ(プッチーニ「トゥーランドット」より)
クレッシェンドしていくに従い、緊張感も増していきます。
j“ハバネラ”/マリア・カラス(ビゼー「カルメン」より、冒頭)
半音階もしっかりと音程をとればきれいに聴こえます。この基本ができれば他の曲でもきれいな音程を保ちやすくなります。
k“魔王”
父、子、魔王、語り手の声色を歌い分けています。歌詞がわからなくても誰の声を歌っているのかわかりますね。