2008-01-01から1ヶ月間の記事一覧

デカルト『方法序説』谷川多佳子訳

古典中の古典といってもいいだろう。はじめて学校などで哲学の話をされるときなど第一にあがっていた名前ではないだろうか。 例によって怠惰にまったく読まないできたのだが、今回読んで驚いた。『必読書150』の順番通り読むと、意外と神学的なもの(『告…

トマス・モア『ユートピア』平井正穂訳

不倫が、死刑。それがユートピアらしい。すごい。どこにもないという意味をもつ「ユートピア」という語に架空の理想郷を描いたといわれるこの書は、よくいわれるように確かに共産主義的社会を想像させるし、当時の時代性とも考えあわせると非常に面白い現在…

マキアヴェッリ『君主論』河島英昭訳

短かった。例によって本文の倍以上の注がついていたような気がするがガン無視した。力量的に無理だ。その特異性によって古典の中でも不気味な輝きを保持している本書は、しかし通読するとおどろくほど腑に落ちるまっとうな、しかも―こういうのは語弊がありそ…

ハンス・アビング『金と芸術 なぜアーティストは貧乏なのか』山本和弘訳

柄谷行人の書評(http://book.asahi.com/review/TKY200702270223.html)などで興味をひかれ読んだ。岡田暁生『西洋音楽史』もそうだったが、目から鱗の指摘を読み進みながら同時に以前から直観はしていたがううまく言葉にできず居心地のわるさを感じていた問…